クリスマスの時期になると
40歳を過ぎたこんな自分でもなんとなく落ち着きがなくなる
1年の中でも最も特別な夜を
今年はどのように過ごせばいいのか、とか
いい歳してそんなことを考えてしまったりする
今年も聖なる夜が・・・
この年齢になったら関係ないなんて思いつつも
実際は心の中では密かに求めてしまっていたりする
聖夜に
このまま死んでしまってもいいと思えるような
一瞬を感じることが出来たら
そんなことを
中島らもさんの著書にある「その日の天使」
>一人の人間の一日には
>かならず「その日の天使」がついている
>暗い気持ちで冗談でも「今自殺したら」などと考えているときに
>とんでもない友人から電話がかかってくる
>それはその日の天使なのである
僕はこのらもさんの話が大好きだ
僕に微笑みかけてくれた「天使」
12月24日その日
心の中に抱える
自分の密かな欲望というものを感じながら
それでも何もない自分に
密かに微笑みかけた天使は
仕事で使っているコインのオートカウンターだった
無骨な機械で
コインを種類別にカウントするだけ
機嫌が悪くなったらなかなか元に戻らない
そんな彼がその日の天使だった
夕方に仕事が終わればまっすぐに家に帰るのみという
特別な日もまったく特別ではない僕が
彼を立ち上げたとき
そのコインの枚数が表示されるのみだったディスプレイに
Merry Xmasと、ものすごく遠慮深く表示された
まるで照れているように
味噌ラーメンの「特別な夜」
それだけでなんだかもう十分な気持ちになった僕は
小声でそいつに「Merry Xmas」とつぶやいて
家に帰る途中「餃子の王将」で味噌ラーメンを食べた
聖なる夜に味噌ラーメン・・・こんな「特別な夜」もありかな、と
ありがとう×12326回